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今回は当院で行っている自家血小板含有フィブリンゲル(CGF)を用いた再生治療について説明をしたいと思います。

これまでにインプラント治療を行いたいが骨が足りない、上顎洞が近くて困難、などの理由でインプラント治療ができないと言われてしまった方もいるかもしれません。

また、抜歯が必要となってしまった歯を抜歯した場合、歯の周りにあった「骨」は多くの場合に歯を支えていた時よりも少なく（痩せて）なってしまいます。

インプラント治療を行うためには、インプラントを支えるための「骨」が必要ですが、足りない場合には骨造成術(GBR)や上顎洞底挙上術を行い、骨を増やす事が可能であり、抜歯の際にはなるべく「骨」が少なくならないように、歯槽堤温存術を行うことが有効です。

「骨」を再生させる為には、骨になるための骨芽細胞（自家骨や周囲の骨からの供給）、その骨芽細胞の足場となるもの（骨補填材）、そして骨芽細胞の栄養となる成長因子が必要とされています。

その成長因子となるものが、今回説明をする自家血小板含有フィブリンゲルとなります。

自家血小板含有フィブリンゲル(CGF：concentrated growth factors)とは、患者様本人の血液から製作される血液製剤です。この中には増殖因子やサイトカインといった様々な成分を含み、傷の治癒や歯槽骨、歯周組織の再生･回復を促し、止血や痛みの軽減、感染の予防に効果があるとされています。

そのため、抜歯後の疼痛緩和･ドライソケットの予防、歯周病によって周囲骨が吸収してしまった際の歯周再生療法、インプラント治療時の骨造成術や歯槽堤温存術、上顎洞底挙上術などの際に使用すると効果的とされています。

CGFを単体で使用したり、圧迫して膜状にして使用したり、同時に作成するAFG(autologous fibrinogen glue)と骨補填材とを混合したりして使用します。

製作方法は患者様の血液を採血させて頂き、専用の遠心分離機を用いる事によって血液を白血球・赤血球・血漿(アルブミン、免疫グロブリン、血液凝固因子)に分けることによって製作します。
＊当院でCGF製作専用遠心機のMedifuge (Silfradent社 Italy) を使用しております。

採血量は使用する範囲や処置内容によって変わりますが、約15～40mlとなります。

患者様本人の血液を用いることによって、アレルギー反応や未知の感染などの心配はありませんが、採血による合併症のリスクはございます。

この自家血小板含有フィブリンゲルを用いた治療はどの歯科医院でも受けることが出来るものではなく、専用の機器が必要であり、厚生労働省からの許可が必要ですが、当院では厚生労働大臣に提出した再生医療等提供計画に基づき、厚生労働省の認可を受けて実施しておりますので、安心してお任せください。

より詳しくお聞きになりたい方、インプラント治療を受けたいが「骨」が足りないと言われた方などいらっしゃいましたら、ぜひ市来歯科医院までご相談下さい。