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前歯の開咬(前歯部開咬について) 

この度は日暮里の市来歯科医院のホームページ・ブログをご覧頂きありがとうございます。
矯正シリーズの記事 第7弾となる今回は前歯部開口についての記事となります。

以前の記事にもありますが、正しい・理想の咬み合わせとは奥歯で噛んだ時に奥歯も前歯も全体的に均等に当たっている状態が正しい噛み合わせだと言われています。
しかし、奥歯で噛んだ時、前歯が当たっていない、前歯で物が噛めない状態の方もいます。これを開咬(かいこう)と言います。
今回はその開咬についてお話をしていきます。

永久歯は、親知らずを入れないと通常上下合わせて28本あります。
歯は切歯、犬歯、臼歯に分けられ、それぞれに役割があります。

切歯は中央部にある平たい歯で、中央から3番目にある尖った歯が犬歯で、糸切り歯とも言われています。
犬歯までが前歯と言われていて、りんごや肉、フランスパンなどを食べる時に噛みちぎる役割があります。
また犬歯は、全ての歯の中で1番根の部分が長く、頑丈で1番最後まで残る歯と言われています。

臼歯は臼(うす)のような形の歯のことで、奥にある歯を大臼歯、その手前にある小さめの歯を小臼歯と言います。
臼歯は、食物を砕いてすり潰す役割があます。
また臼歯、特に大臼歯は、噛み合わせを安定させるのにとても重要な歯です。

犬歯にはそのほかに噛み合わせのガイドとしての役割があります。
良い噛み合わせの場合、カチッと噛んだ時全ての歯が当たります。
その状態で下の顎を左右にずらした場合犬歯だけが当たり、奥歯などの他の歯は当たらなくなります。
これを犬歯誘導と言い、これができていると奥歯の負担が減ります。
これが非常に大切です。

なぜ奥歯の負担が減るかというと、奥歯は縦に噛む力に対しては強いのですが、横の力(歯軋りのような歯を揺さぶるような力)にはあまり強くありません。
物を噛む時も、縦に動かしているだけではなく、無意識のうちに横にも動かしています。
また、本来前歯の役割である噛み切る行為も前歯が咬めていないと奥歯が担うことになります。
ですので、前歯部の開咬の場合に奥歯の負担がとても大きくなります。
奥歯への負担が大きいままでいると、歯が割れたり、歯根が割れたり奥歯を失う可能性が高くなります。
被せ物が割れたり欠けたりも多くなります。

8020運動というのを聞いたことがありますか?
これは「80歳になっても、20本以上自分の歯を保とう」と言う運動で、20本以上歯があれば、食生活はほぼ満足すると言われています。
この運動が始まった当初の達成率は数%でしたが、最近では達成率がだんだん高くなってきました。

達成者の特徴を調べた論文がいくつもあり、その中で8020達成者の噛み合わせについての報告がありました。
その報告によると、達成者は噛み合わせが良い人が多く、受け口や開咬の人はほとんどいいなかったとういう報告もあります。
竹内史江(2005)Dental Prescale を用いた8020達成者の咬合調査 歯科学報 Vol.105 No.2 76-83

自分の歯を長く保たせるためには、良い噛み合わせの方が有利であるということがよくわかります。

矯正治療は歯並びと噛み合わせを良くするために行う治療です。

歯並びだけではなく、噛み合わせが気になる場合も、日暮里の市来歯科医院まで一度ご相談下さい。