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関節リウマチと歯科とのお話 

こんにちは、日暮里の市来歯科医院です。
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関節リウマチは免疫の異常により関節の滑膜などに炎症を起こして腫れや痛みを起こし、進行すると軟骨や周囲の骨を損傷し変形を引き起こす病気で、人口の0.4~0.5%が関節リウマチと診断されています。

1982年Garguiloらの論文で歯周病になった患者の歯肉からリウマチ因子が見つかり、以後歯周病と関節リウマチは共に骨に近接した組織の損傷を引き起こすという観点から関連性があるのではと研究されてきました。2008年のde Pabloの論文では健常者と比較して関節リウマチ罹患者では歯の喪失割合と歯槽骨吸収の割合が2倍となる結果が出ています。

ではどのように関節リウマチと歯周病が関連するのでしょうか。

ここで鍵となるのは歯周病を起こす細菌の中でも特にPorphyromonas gingivalisという細菌です。この細菌は歯肉から血管に入り関節の内膜や周囲の血管内細胞に侵入します。P.gingivalisが軟骨細胞の細胞死を誘導し、また特有な酵素を分泌しそれにより異常な免疫反応が引き起こされ関節組織を破壊すると考えられています。また2018年のEbbers Mらの研究ではその他の細菌が出す酵素も異常な免疫反応を引き起こすことが分かってきました。

関節リウマチと歯周治療の関連性はまだ研究段階にあります。2009年のOrtizらの論文では40名の抗リウマチ薬を服用している患者に対し、歯のクリーニング(スケーリング、ルートプレーニング)を行なったグループと行わなかったグループに分け歯周組織を比較したところ歯周病の治療を行なったグループが関節リウマチの検査でも改善が認められたという報告が出ています。今後もさらなる研究が進むと思われますが、関節リウマチの方は定期的な歯周病治療を行うことが勧められます。

関節リウマチはその他にも口腔内にも影響を及ぼすことがあります。
PCR(進行性下顎頭吸収)は顎の関節である下顎頭が進行性に吸収し、噛み合わせが徐々に悪化し上顎前突(出っ歯)や開咬(前歯で噛めない)を引き起こす病気です。10〜20代および50代以降の女性に多く、矯正治療や外傷などの原因以外にも関節リウマチなどの自己免疫系の病気もリスクの一つとされています。この病気の場合は下顎頭の吸収が落ち着いたら歯列矯正を行うことになりますが、定期的にレントゲンで下顎頭を比較したり、噛み合わせを比較することで早期発見につながります。
他にも関節リウマチが顎関節に発症し、お口を開けたり閉じたりすることに障害が生じることもあります。

また、関節リウマチに使用されるメトトレキサートなどの薬の一部は顎の骨の壊死(薬剤関連顎骨壊死)を引き起こすことがあります。薬剤関連顎骨壊死についての詳細は別記事で述べていますが、これらの薬を服用されている方は虫歯や歯周病を放置せず早めにしっかりと治療することが大切です。

日暮里で全身疾患と歯科については、口腔外科学会認定医のいる市来歯科医院までぜひご相談ください。